とちの木の実

俳誌に連載中のエッセーと書評

Mus'eek句会五月

網代の折敷が季節感ですね。お菓子の銘は『卯の花」庭にも咲いています。清少納言が牛車いっぱいに飾ったという花ですね。

まずは高点句から、

 

闇解けて薄墨色に首夏の庭  恭子

 

昧爽の光景でしょうか。夏の夜の真闇が解けてお庭の佇まいがうっすらと現れるひととき。日の出前の涼しさがただよいます。夏も初めのころの空気感が感じられます。

同じ作者に、こんな句も。

 

夏きざすたまに良き事言ふをんな  恭子

 

ギャップが凄い。もう一句

 

ぼうたんや紅極めたるおのずから   恭子

 

若葉いま一人かずら橋の真中  ともこ

 

かずら橋は四国が有名ですが、他にも大きさもさまざまなかずら橋が各地にあるらしい。作者のお住まいの近くの一つだそうですが、あまり長くはないけれど揺れる、そうです。

 緑のなか、一人橋の真ん中にたつ。涼しそう。怖そう。

今回この作者は地名しりーずでした。

 

雨香る宇陀の一日の若葉かな ともこ

雨晴れて煌めく日野の麦穂波  ともこ

 

日野と言えば滋賀県が思い浮かびますが、東京都下に日野市がありますし、案外あちこちにある名前なのかもしれません。作者のお住まいの近くにも日野があって、麦の穂にキラキラと雫が輝いていたのだそうです。

地名ヲ詠むむずかしさですね「宇陀」は成功していると思いましたが,日野はややまぎらわしかったかな。

 

筍や糠のあぶくに浮き沈み  東出

 

あぶくのなかアップアップしているタケノコの姿に何科人生的な共感を覚えますねー。毎回おいしそうな句を発表されるこの作者、今回はタケノコでした。まず、ほりだすところから始まるのが凄い。

 

 

フラワームーン蒔かれた種は目を覚ます  東出

 

フラワームーンは五月の満月、この日に蒔くと発芽率が良いのですって。

そういえば、今年蒔いた種は、あまり芽を出してくれませんでした。来年は、月齢をチェックして蒔くことにしましょう。ついでですが苗は新月が、活着するとか。

 

私の句は、時間がなくて、面目ないことにネット句会の方にも同じくを出してしまったので、そちらでご覧ください。

 

   おるか