とちの木の実

俳誌に連載中のエッセーと書評

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Muse'e句会三月

句会の続きです。2点句はたくさんありました。 たゆたいつゆらぎつ昇る月朧 松田 緩やかに上ってくる月はいかにも春の月らしいおもむきです。 細かいことを言うと昇ってくる動作の主体は月なので、その上になお朧でもある、と付け加えられるのが、文法的に…

三月のMuse'e句会

オガタマの花 例年なら桜も辛夷も咲いているはずなのに今年は寒いのかまだほころびそうな気配すらない。それなのにオガタマだけは純白の花をつけてくれました。うれしい。 さて古九谷美術館のカフェ「茶房古九谷」での句会も四度目となりました。当季の句三…

句集「ジントニックをもう一杯」

冒頭の中原道夫「銀化」主催の序文が、懇切にしてカマラドゥリー溢れ、且つ長文である。読み終わるともうそれ上加えることはない感じ。というより、その視線から離れられなくなてしまう。 たとえば、「食に関する句が頻出することに注目していた」とあったせ…